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zoom RSS 「話し合えば解決する」は歴史的に見ると嘘、むしろ対話パスがあるほうが戦争になってるっていう話

<<   作成日時 : 2015/11/27 00:10   >>

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戦争反対は心情的に分かるっつーか武器商人でもなきゃ戦争賛成とは言わないだろ、ってのはおいとくとして、「話し合いさえすれば戦争にならない」ってのは歴史的に見るとウソなんですよって話。

古今東西、今までに起きた戦争の大半は、対話パスがあり、人の行き来や経済のやりとりがあり、場合によっては前日まで友好関係であったことすらあるということは、歴史を齧ったことのある人は指摘していい話だろう。例を挙げるなら、つい最近のクリミア事変だ。ロシアがクリミアを実力で併合する以前にロシアとウクライナの間では相互に人の行き来があり、互いに盛んに話し合いは行われていた、というのは紛れもない事実である。

しかし直近の例や自国が絡む話を出すと、まだ事象が継続中だったり、妙なバイアスがかかってしまったりすることがあるので、とりあえずはちょいと昔の話にしておく。たまたま最近読んでたのがヨーロッパの民族大移動の本だったりするので、フン族を挙げてみたい。

フン族は、正確な出自は不明だが、アジア方面からやってきて5世紀半ばまでにヨーロッパを席巻するに至った騎馬民族である。その攻撃性により、ゲルマン系の民族を次々と追いやり、玉突きのようにして民族大移動を引き起こした。

蛮族として恐れられ、最終的には東西ローマとは決裂に至る彼らだが、実は意外にも全盛期には東西ローマとはふつうに話し合いしていた。しかも、イタリアそしてフランスで破滅的な戦争になる西ローマとのほうが、より緊密な関係を築いていたという事実がある。

何でなのかは、交渉の内容を見ていくと分かる。
強者と話し合いが出来るのは強者のみなのである。

フン族の勢力がまだ弱かった頃、東ローマはフン族を舐めプしていて、蛮族は金がほしいのか? ん? 傭兵として雇ってやるよ、みたいな感じでやってたのだが、フン族の勢力が増して東ローマにとってガチな敵になってくると、逆にフン族側から 攻められたくなかったら金よこせ? それで勘弁してやっから、な? みたいになっていく。

(これは近代でいうと中国と日本または米国あたりの関係に似ていなくもない…)

一方的に脅して搾り取ればいいのだから、話し合いや交流はさほど密ではない。ただしフン族にとって金づるであるから攻めることはしない。話し合いがない(=戦力差がある)ほうが戦争にならない。という、これはひとつの例である。


対して、勢力が拮抗する西ローマとは、お互い全力勝負をしたくないので話し合いが密になる。西ローマ的にも、北部に厄介な(そしてフン族とは共通の敵ともなる)ゲルマン系の民族を抱えているので、時には同盟を結びさえした。しかし、ある程度勢力の拮抗状態が続いてしまうと、結局は領土や権力を求めて衝突に至らざるを得ない。これは拡大を続けなければ臣民を養えない帝国主義の定めである。

フン族凋落の前哨となる破滅的な戦いが、終始敵対関係にあった東ローマとの間ではなく、一時期は同盟関係にさえあった西ローマとの間で起きたことは、流れを追っていくと当然であることが分かる。


話し合いがあり、交流があっても戦争になる。むしろ、それがあるからこそ戦争という解決手段を用いざるを得ない。
こうした例は歴史上、枚挙に暇がない。戦力差が大きければ話し合いなどもたれないし、たいていは戦争にはならない。片方が一方的に略取されるだけなのだ。



もちろん、だからといって対話は不要、とは言っていない。話し合いによって回避された戦争も(おそらく)沢山ある。戦争になった場合は歴史に残るが、回避された場合はあまり歴史に残らないので、知られていないだけだろう。

ただ、「話し合いさえすれば戦争にならない」「話し合いのパスがあるうちは戦争は起き得ない」などという幻想は捨てることだ。そして、「自分たちが強くなければ、そもそも話し合いのテーブルに着くことすらままならない」という現実を知っておくことが、歴史を理解している、真の平和主義者への第一歩だろうと思うのだ。

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