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zoom RSS ヨーロッパに押し寄せる人々を見て学べること、日本がやるべきこと

<<   作成日時 : 2015/09/21 00:10   >>

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不謹慎? いいえ、これはれっきとした人類学です。

というわけで、ヨーロッパ各国に押し寄せてる難民(+ドサクサに紛れてまじってる近隣の国)の動きを見ながら、記録のない時代に発生した同様の難民状況を想像してみたい。想定するのは、ゲルマン民族の大移動でも、海の民でも、実際は熱に浮かされた一般市民の無謀な突撃であった初期の十字軍でも何でもいい。

大人数の人が移動するとは、どういうことか。
人が移動することそれ自体が破壊的な行為であり、移動した先の土地に大きなインパクトを与えるものであることは、すでに今回のことで分かったと思う。


人が生きていくためには衣食住が必要だ。

食べるもの。移動生活では食べ物も水もすぐに尽きてしまう。だから人は、与えられないのであれば、生きるために奪わざるを得ない。今回ヨーロッパ内を移動している人々は、行く先々で無料で水食料の配給を受けているから、元々の住民との間で戦争状態にならずに済んでいる。これが古代であれば、確実に戦いが発生している。移動してきた側も生きるか死ぬかなのだから当然だ。

そしてもし移住者側が勝てば、こんどは元々の住民が難民となり、別の土地へと玉突きに移動していくことになる。
もし移住者側が負ければ、自分たちの住み着ける空いている土地を探して、さらに移動していくことになる。


古代や中世であれば、難民たちが移動するのは、比較的政体のゆるいところであっただろうと予想される。国境警備の厳しいところに突っ込んでいっても追い返されるだけだ。政体のゆるやかな、あるいは中心となる政体のない場所を普通は目指す。そして土地に余裕があれば、人のいない場所に勝手に住み着く。かつて人間が少なかった頃は、そうやって国が出来ていった。国境がハッキリと引かれ、地上が国でビッシリ埋め尽くされているのは近代ならではだ。

移動ルートはどうだろうか。
山脈を越えて向こうがわに移住する、とかならともかく、移動距離が長く、全く全く見知らぬ土地に移住するのであれば、おそらく最低限生きるのに必要な「水」のある場所を中心に移動するのではないだろうか。たとえば川沿いである。ヨーロッパにおいては、ライン川が古代の移民の道しるべになってきたことが知られている。アナトリアならクズルウルマックあたりがその役目を果たしたのだろうか。


人数が少なければ、おきる問題はそう大きくはならない。
なぜなら、もとから住んでいた集団と融合することが可能だからだ。数人の見慣れない集団が村にやってきたとしても、そのくらいなら受け入れる余裕はあるはずだ。しかし数十人ではどうだろうか。食料の生産量を急激に増やすことは出来ない。勝手に畑を作られたとか、森のエモノを狩るのに競合するとかで、衝突する可能性が高くなる。

人数が大きくなればなるほど、まとまって定住する新天地は見つかりにくくなり、どこかのタイミングで大規模な衝突を経て定住地を乗っ取るか、集団を分けるしかなくなるだろう。



歴史に残っているもの、残っていないものをふくめ、人の移動は、古来より確実に繰り返されてきた行為だ。
そのとき何が起きていたのか。今回の難民危機を見ながら考えてみることは色々ある。

そもそも、我ら日本人は確実に移住者の子孫なのだ。過去のいつかのタイミングで日本列島に渡ってきた、色んなルーツをもつ人たちの融合だ。
過去は現在に通じる。日本人の祖先が難民だったのか開拓者だったのか迷子だったのかは分からないが、テレビ画面の向こうで起きているようなことは、もしかしたら、ご先祖様も体験したことのある出来事だったかもしれない。

もっとも、日本の場合、おそらく初期の移住者の母集団はどれも少人数だっただろうし、元々住んでた人も少なくて大した衝突も無かったのだろうが…。



*************

さて、ここでちょっと話題を変える。

現在において、日本は難民に厳しい国だといわれている。
「もっと受け入れろ」という意見も聞かれる。

しかし実際のところ、申請している人は本当は難民でないケースが多い ということをまずは知ってもらいたい。

悪質「仮装難民」横行…これで「日本は難民に冷たい」と言われる筋合いはない
http://www.sankei.com/affairs/news/150502/afr1505020001-n1.html

 "「難民条約上の“難民性”が認められないものが少なくありません。しかも、国籍によって申請理由がほとんど同じなんです。指南役の同国人や日本人が関わっていると聞いたこともあります」と柳瀬さん。中には、「同性愛者で迫害されている」といって申請していた外国人男性が、後になって日本人女性と結婚した例もあったという。"


インタビューに答えているのは法務省難民審査参与員の柳瀬さんという人。
産経なんか愛国ポルノじゃねぇかww と言う人もいるかもしれないので、別のソースも出しておく。


日本の難民受け入れに関する誤解
http://blogos.com/outline/124851/?utm_content=bufferedfb7&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer

"これまでの3年間、100人以上を担当したが、私の関わったケースは難民としての蓋然性が低く、1人として難民認定すべきとの意見提出には至っていない。申請内容の不整合や書類の不備、事前の供述について本人が理解していない、明らかな出稼ぎ目的や退去強制逃れのための難民申請など、難民と思えない理由は枚挙に暇がない。"


"国連関係機関がむやみに難民認定のハードルを低くし、それを国際基準だと一律に強いるのは間違いだ。わが国が人道的見地に立ちつつも、現実を見据え、国家としての矜持を保ちながら、主権行為である難民認定をきちんと実施すべきは当然だ。"


インタビューに答えているのは国際赤十字の吹浦さんという人。

どちらも、「難民申請の件数は増加しているが本物の難民が来ていない」というもの。そして、偽装難民が繰り帰し申請を出すせいで本当に身の危険を感じている難民の審議が遅れてしまっているという厳しい現実も見えてくる。現在、外務省が規制を厳しくしようとしているのは、偽装難民を確実に弾き、処理に手間をかけずにお帰りいただくためであり、今以上に間口を狭くしようとしているわけではないのだ。(よって私はこれに賛成する)


一時の感情に動かされて、ろくに審査もせずに偽装難民までまとめて受け入れたヨーロッパのパニックを見ながら日本が学ぶべきもう一つの教訓が、ここにある。


大事なのは人数ではない。

日本は、本当に助けが必要な人に確実に助けの手を差し伸べられる国であってほしい。




ヨーロッパの失敗によって、我々は、一時の感情によって引き起こされる混乱をすでに学んだ。目の前に答えがあるのに同じ轍を踏むのはただのバカ。

今後、難民の受け入れについての議論が日本でも積極的に交わされる日が来たならば、こんな意見もあるのだということをうっすらとでも思い出してもらえると在り難い。

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