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zoom RSS 「クレオパトラとエジプトの王妃展」に行ってきた。感想: 雰囲気優先、一見さんお断り。

<<   作成日時 : 2015/07/14 00:10   >>

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国立博物館で開催のエジプト展。いってきました。
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1714

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初日でしたが行列が全くない空きっぷり。会場内もすごくスムーズに人が流れる。展示品が少なくて、会場内に余裕があったのと、来ている展示品にじっくり見るタイプのものが少なかったのが理由かと。

破損していて部分だけ、のようなものが多かった。
その破損具合も、名前のわからん王女の後頭部だけしか見えてないレリーフの断片とか出されて、うーん、これは何を伝えたいんですかね? みたいな感じ。もちろんそういう断片でも、出土地とか歴史が分かれば面白いんだろうが、説明にはそうした記載は一切ナシ。

出土地が不明なら不明と書けばいいのに、ごく一部にしか出土地の記載がない。材質も表示もほとんど書かれていない。石か金属かパッと見でわからんようなものも沢山あるのに…。コール・ポットを「化粧壷」と書いてあったり、シャブティ像になんの説明もなかったり、見慣れてる人じゃないと用途わかんないじゃないかと思った。よく分からないから、見に来た人もどんどんスルーして人の流れが速い。会場が混雑しないのはいいが、面白くないと思われてしまうのでは勿体無いと思う。

とどのつまり、今回の展示会は、予想に反して全般的に説明が不親切だったのだ。世界中の色々な博物館、美術館から一つのテーマに沿って展示品を借りてくるなんてあんまり無いのに、そこまでしていながら展示方法が拙くて面白さが伝わらないのは勿体無いなという感じがした。

色んな時代の王妃、女王たちを取り上げているものの、時代がぽんぽん飛びまくるせいで、その人の生きた自体の背景も、実像も見えてこない。クフ王の母ヘテプヘレスと、アクエンアテンの妻ネフェルティティが生きた時代は千年離れている。これは日本で言うと平安と江戸時代初期くらいの期間だ。この間にエジプトの国勢も、エジプトを取り巻く周辺諸国の状況も大きく変わっている。そういうのが十分に伝わっていたとは言いがたい。

今回のは、エジプトが無茶苦茶好きな人か、年表を頭に叩き込んでる人向けなのかもしれない…。


会場のディスプレイや、アロマな香りが漂うハイソな雰囲気はまぁ良かった。ただ、グッズコーナーに王家の紋章の人とのコラボパンフがあったり、マリアージュフレールと組んだエジプトの王妃がテーマの紅茶があったりと、明らかに女性をターゲットにした雰囲気作り。展示の主題からしてそうだし、あまりにもフェミニンな雰囲気を前面に押し出しすぎて男性客の呼び込みに失敗しているという感じがした。

エジプト=黄金とかでミーハーな客層をお断りするのも一つのテだと思うし、落ち着いて見られたのは良かったんだけど、客層を絞り込んだわりに、その客層に見合った説明がなされていないというのが最大の不満。



もしもこの展示会を楽しみたいのであれば、最低限、古代エジプト王国の年表の概要を頭に入れて、それぞれの登場人物がどのあたりの時代の人か学んでおくことをオススメする。

・ヘテプヘレス 第4王朝

 大ピラミッドを築いたクフ王の母、大ピラミッドのふもとのシャフト(竪穴)で副葬品が見つかった。
 遺体(ミイラ)は現存しないが、内臓を入れたカノポス壷は見つかっている。

・ハトシェプスト 第18王朝

 義理の息子トトメス3世との共同統治を経て実権を握り、男装した女王として即位した例外的な女性。
 後にトトメス3世の単独統治となり、彼女の業績は男系の王の権威を揺るがすものとして抹消された。

・ネフェルティティ 第18王朝

 ツタンカーメンの父とされるアクエンアテンの正妻。異国から嫁いできた説がある。
 アテン信仰という一神教を始めた夫を支え、存命中は大きな権力を持っていたとされる。

・クレオパトラ7世

 エジプト最後の女王。エジプト人ではなくマケドニア系(ギリシャ人)のプトレマイオス王朝に属する。ローマとの戦いに勝てず自害、彼女の死後エジプトはローマ属州となる。


あとティイとはセベクネフェルも出てたかな…。
クレオパトラのコーナーは唐突にローマの彫像とか出てきてナンジャコリャって感じになってた部分もあった。よくも悪くもエジプト展はイメージが固定化しているので、いきなりローマ彫刻やルネサンス絵画が出てくると「これエジプトじゃないですよね」と、なってしまう。

自分はわりと楽しめたけど、一緒に行った人があまりエジプトに詳しくなく、良く分からない感じだったので、面白さを分かってもらおうと音声ガイド(生)をかなり頑張る羽目になったぜ…。私と行く人なんでそれなりに歴史の概要は知ってるはずで、それでもわからんというのだから一般的な知識レベルはそんなもんだ。



あと、細かい点を言えば、以下のような不備も。

・小さすぎる指輪にはルーペをつけるべき、おじーちゃんおばーちゃん困ってた
・ていうか我々ですら見えなかった。光線の当て方が悪くて陰影がわからない

・年表分かりやすくしないと時代区分知らない人には何が何だか

・「彫像の背後に碑文があります」と説明文に書きながら、肝心の彫像の背後が壁にぴったりくっついて見えないもの複数

・同じようなものをバラバラに展示する意味がわからない、No130と42、43なんてデザインも時代も一緒。コールポットも全く同じデザインのものが複数。品の選定に疑問あり


展示を作った人たちは、来場者がどんな目線で展示品を見ていくか考慮していないのではないかと思った。
照明の当て方のせいなのか、展示物が非常に見づらいので、じっくり見たい人は図録買うのオススメする…。


*****

まとめると、

 値段的なボリュームや雰囲気は○
 展示方法が×

なエジプト展でした。

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