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zoom RSS "内閣支持率" "法案賛否" なぜ新聞の「世論調査」は信用されないか。/そこには根拠がある

<<   作成日時 : 2015/06/25 00:10   >>

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私の周囲にいる人を「世間一般」と言ってしまうのはアレかもしれないが、仕事仲間、ゲーム仲間、下同級生、親族あたりの職業も宗教もバラバラだが同世代くらいの人たちを見回すと、たいてい「新聞やテレビの統計は信用ならない」と言う。それも「結果は違って居ても自分たちに都合よく読み替えているだろう」といった意見から、「実際に調査しているかどうかも疑わしい」という極端なものまである。

なぜマスメディアの調査は信用されないのか。理由をざっくり纏めると、

 (1)調査方法が開示されていない
 (2)自分や周囲の人の意見と大きく食い違う
 (3)結果が読み違えられている

といったところではないかと思う。
しかしこれは決して「なんとなくそう感じている」レベルの話ではない。根拠がある話なのだ。


*****************


社会調査法とかやったことのある人や、実際に社会調査の手法を使う社会心理学のようなジャンルでは耳にタコが出来るほど教えられるとおり、世論などを調査する場合には、以下の二つが必要不可欠な大前提となる。

 「調査項目が妥当であるか」

 「調査対象が妥当であるか」


この二つのどちらかが不適切ならば、その調査には何の意味もない。

「調査項目が妥当であるか」とは、知りたいことに対して妥当な質問をしているかだ。例えば、「バナナとリンゴどっちが人気があるか」を知りたいのに、「あなたはトマトが好きですか」と聞いてはいけない。

「調査対象が妥当であるか」とは、国民全体の意見を知りたい場合に、特定の年齢や地域、職業などに偏った人にだけ質問をしてはいけないということだ。

(1)と(2)は、この二点が疑われているということ。特に、「調査対象が妥当であるか」が疑わしいという話は以前から指摘されている。新聞社はよく電話調査という方法をとるのだが、その手法がそもそも間違ってる。

電話調査は、電話帳に載っているお宅に平日の昼間に電話してアンケートをとる方法。事務所から一歩も出ずにお手軽に回答を集めることが出来る。家に居るのだから仕事中ではなく、答えてくれる可能性も高い。しかし、平日の昼間に家にいるのは専業主婦(女性)とか、引退済みのご高齢者の可能性が高いのである。これは、「特定の年齢や地域、職業などに偏った人にだけ質問をしてはいけない」という前提に反する。特定の種類の人の意見しか聞いていないのに国民全体の意見と言われても困る。

新聞の購読者の家に戸別訪問というケースでも同じだ。平日の昼間に訪問して出てくる人はだいたい限られている。


という前提をふまえた上で、最近朝日新聞が行った世論調査を見てみよう。この世論調査については、質問内容と方法が開示されているので(1)は払拭できる。
http://www.asahi.com/articles/ASH6Q5JM2H6QUZPS005.html?ref=yahoo

だが、(2)が問題だ。
末尾に

"〈調査方法〉 20、21の両日、コンピューターで無作為に作成した番号に調査員が電話をかける「朝日RDD」方式で、全国の有権者を対象に調査した(福島県の一部を除く)。世帯用と判明した番号は3750件、有効回答は1831人。回答率49%。"


とあるとおり、まさに問題とされている電話調査を行っている。「世帯用と判明した番号は3750件」となっているのは、最初にランダムで電話番号を選び、そのうちご家庭用の固定電話にだけ電話した、ということだ。

最近の若者、というより一定年齢以上の人は、家族と住んでいて一軒屋があるとか、家で仕事をしているとかでもなければ、たいてい固定電話を持っていない。私も携帯しか持っていない。電話調査に意見が反映されることは無いだろう。

また、"全国の有権者"とはいうものの、調査時間に回答することの出来た、一定の職業の人に限られることは上述のとおりである。

つまり、社会調査の手法に則って見る限り、この調査は適切な方法で調査されているとは言えない。国民全体の平均的な意見はおそらく反映されていない。そして世代ごとに意見の傾向が違うのは大いに考えられる話なので、先に挙げた

 (2)自分や周囲の人の意見と大きく食い違う

は、我々の世代からすれば電話調査の対象にならないのだから、当たり前ということになる。



そして(3)の「結果が読み違えられている」。

これはもうどうしようもないというか、人目を引かなくてはメシが食えないマスメディアの宿命とでもいうべきだろうか。実際に出た回答に対し、都合の良い「要約』を勝手に作ってしまうのである。そして大抵の人は、生の回答まで見る時間も余裕もない。

この調査の結果を受けた新聞の見出しはこうだった。


◆安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。

「内閣支持率が39%に低下」
「国民の65%が安保法案の成立は必要ない」

しかし、回答結果を見ると

 支持する39(45)

 支持しない37(32)

であり、実は支持率がまだ上回っている。
そして"どちらでもない"と回答した人が、なんと24%もある。これは、実際はほぼ3分割ではないのか。評価を保留し、イザというときにどちらにつくか分からない人がこんなにいるのである。まるで支持しない人が増えたような報道だが、1831人の5%は約90人。ぶっちゃけ誤差範囲の可能性もある。


また、

◆安倍政権は安全保障関連法案を、今開かれている国会で成立させる方針です。この法案を、今の国会で成立させる必要があると思いますか。今の国会で成立させる必要はないと思いますか。

 今の国会で成立させる必要がある17(23)

 今の国会で成立させる必要はない65(60)

この質問は「今の国会で」と強調している。そして回答が二種類しかない。つまり、「今の国会で成立させる必要はない」と回答した人の中には、今回の国会に限らず十分な議論をして成立させてほしい という人が、一定数混じっている。これは報道ステー○ョンで(テレビのニュース番組)似たような質問をした時の回答結果からも分かる。

実際の質問は「今の国会で」だったのに、いつのまにか「法案自体を支持するかどうか」にすりかえられてしまっている。もし、本当はそれを聞きたかったのなら質問項目が不適切だし、回答を元に解釈を間違えたのなら、「(3)結果が読み違えられている」ということになる。ただしこれは、質問項目が開示されているから見えた話だ。もし開示されていなければ、この部分のおかしさに気がつくことは出来なかっただろう。



今回のものは一例に過ぎないが、多くの人の抱く「新聞やテレビの統計は信用ならない」という意見は、実際に正しい。安易な電話調査をする限り、調査対象は偏り続け、一部の人の意見だけがさも世の中の全てのように誇張されることになるだろう。

また、新聞を含むニュース媒体は、残念ながら、調査結果を「言いたいこと」にあわせて解釈しなおすことに疑問を抱かない機関であることも事実としてみとめられる。



世の中をこうすべきという方針に沿って政治的に世の中を煽ることをプロパガンダという。
主張したいことに合わせた情報を発信するのは報道ではなく運動である。



以前どこかで、「新聞は権力に対するチェック機関でなければならない」と言っている新聞社の関係者を見かけたが、今や新聞自体が権力である。しかもその権力は、国家権力は批判するが、自らを批判することは出来ない。権力が民衆の敵であるならば、今や新聞も等しく敵だと言える。ちゃんと仕事してくれればこんなことにはならなかった。報道機関のやるべき仕事は何なのか思い出してもらいたい。やるべきことは、それっぽい数字を出して騒ぐことではなく、内容の理解である。

そしてメディア側も、情報を発信すれば無条件に信頼される時代はもはや終わったことを知り、せめて調査くらいはマトモに出来る機関になってほしいと思う。


…現状では、残念ながら

 新聞やテレビの「世論調査」は、
 その媒体が支持する意見を示しているに過ぎない。


といわざるを得ない。
そんなものは調査がなくても事前にだいたい分かっている。注目すべきは、むしろ逆の結果が出た時だろう。


参考: こういう意見の人もいます
http://ironna.jp/article/945

 見出しや数字を鵜呑みにせず、「どうしてこういう数字になったのか」「この数字は正しいのか」「相関関係なのか、因果関係なのか」、あるいは「まともな調査なのか」を常に考えながら記事を読む必要があります。

 それは大変手間のかかることですが、せめて世論調査などの末尾に書かれている「調査方法」の欄くらいは見る習慣をつけてもらいたい。もしそこに回答率や調査方法が書かれていなければ、新聞社に聞くのがいいでしょう。それをオープンにできないようであれば、数字そのものが信用できないと判断していい。


ここで言いたいこともこれと同じ。

私は別に朝日が特別に嫌いっつーわけではないですけど(むしろ毎日のほうがきら…げふん)、確かに朝日の出口調査を無視したことあるから言いたいことは分かる(笑) 自分の答えた内容が適切に扱われると思えないもんね…。


****


あと、新聞やテレビは、ぶっちゃけ商売でやっているということも、念頭においておく必要があるかもしれない。
ウケる内容を流さなければ売れない。売り込みたい人の意見を聞き、彼らの望む記事を書き、見たいニュースを流すのがマスメディアという商売の根本にある。彼らは、もしかしたら自分たちの調査方法が間違えていることに気がつかず、ごくごく一部の人の意見だけ聴いて、「世の中はこうなんだ! だったら俺たちもそれに沿ってニュースを流さなきゃ」と思っているのかもしれない。

所詮、大手メディアはガチガチの会社組織である。役職があり、上下関係がある。
たとえ世の中に物議をかもしても構わない、俺はどうしてもこの記事を載せる! みたいな気骨のあるというか、ある意味反社会的なというか、カッコいい生き様をしている記者/ディレクターなどが出てくるのは、所詮ドラマか小説の中の話である。マスメディアも会社組織である以上、個人プレーがそう簡単にまかり通ってもらっては困るという話もある。

そんな中で、調査によって得た回答を見て、顧客にウケそうな方向で商売する、というのはありそうな話だ。
しかし、残念ながら現在では、電話調査で引っ掛からない多数の層がある。アンケートで意見を聞いている、売り込みたい人は民衆の代表ではなくなった。時代が変わったのに調査方法を変えなかったために一般の意識とズレてしまい、「なんだ、新聞もテレビも、ちゃんと仕事していないじゃないか」と、なったのが今の「新聞離れ」だの「テレビ離れ」だの言われている状態のような気もする。

まぁ客に離れたとか言うのも至極失礼な話で、商品が売れなくなったのは売り方がマズいんだろってのが世の中の当たり前な話ですよ。

※ちなみに固定電話の契約数は年々減ってます。
まず一般家庭で固定電話もってる割合がどこまで減れば、電話調査という方法を変更するのかは興味がありますね…ウフ。



****

以下は個人的な意見となる。


新聞の出してくるチョロい数字はおいといて、今の法案は、そのまま通すのはどうかなと思っている。ただ、いずれ成立させるべき法案だと思っている。いらないという人は、代わりにどのようにして国を守ればいいか意見を出してほしい。何もなければいいが、何かあってからでは遅すぎるということも考えたうえで。

我々はロシアによるクリミア併合を目の当たりにした。また、中国による南沙諸島の強奪も現在進行形で見ている。大国による力ずくの国境変更である。国際世論など何の役にも立っていない。当たり前である。自分とこの領土を守るのは、自分自身なのだ。まず自分が戦わなければ、よそ様が勝手にどうにかしてくれるわけがない。

いきなりミサイルが飛ぶわけでも、最初から人が死ぬわけでもない。これが21世紀の世の戦争である。
多くの人は、日本が戦争を「仕掛けられる」ことが、現実に起こりえる問題であると認識している。だからこそ、法案に賛成する人も一定数いるのである。
戦争ができる国が悪いことのように考えているかもしれない。しかし襲われたら殴り返すのは当たり前だ。戦って自分たちを守れる国のあり方は当たり前だろう。近所を共同で防衛に行くこともいい。

しかし、他人に言われるまま、ハイハイ遠くまで遠征していく必要は無いんじゃねーの? と思っている。

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