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zoom RSS 「環境保護団体」グリーンピース、ナスカの地上絵付近に無許可で巨大メッセージを設置、の件

<<   作成日時 : 2014/12/14 00:10   >>

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ニュース見た途端「ギャアアア!」って叫びましたね…。
なんつーことしてくれるんじゃいおまえら。

どんなに大事に守っててもさ、文化とか遺産とかいうものはさ、得てしてこういう「自分たちこそ正義!」って思い込んでる人たちによってアッサリ壊されてしまうものなんだなーとか、なんかやっぱり悪意なくやらかしちゃう人が文化財保護するときは一番怖い。

あんまりにもあんまりなので、まとめて記録に残しておこうと思います。

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ソースは一杯ありますがとりあえずこのへんとか。

ナスカの地上絵に落書き グリーンピースにペルー政府が法的措置へ
http://www.huffingtonpost.jp/2014/12/10/nazca-lines-greenpeace_n_6299814.html

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落書きと書かれていますが、地面そのものに落書きしたわけではありません。ビニールで作った文字を並べて、重しのレンガを上から置いています。「だから遺跡は傷めてないもん」と言いたかったようですが、そういう問題じゃないんだよ…。


がっつり運動靴で線画付近を踏み荒らす活動家の皆さん(´・ω・`)

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そして世界中から批判殺到(当たり前だ)した後に出した言い訳がこちら ※以下はその日本語訳として「グリーンピース・ジャパン」が出したもの

2014/12/10 COP20開催中における、グリーンピースの「ナスカの地上絵」付近での活動について
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/2014/pr20141210/

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この活動は、考古学者の監督のもと4カ月の準備を経て進められました。当日も考古学者が同行し、グリーンピースのスタッフは遺跡に跡を残さないよう、指導を受けながら慎重に行いました。今回の活動で、ナスカの地上絵には一切触れていません。


えーもう、どこからどうツッコんでいいのか分からないくらいのアレですが、

・4ヶ月もあったのに誰一人ツッコまない、止めない異常さ
・まともな考古学者であれば、地上絵がどのように描かれているのか知っているので必ず止める
 どこの誰だよ同行したのは…
・遺跡に跡を残さないよう → めっちゃ残りました。
・ナスカの地上絵には一切触れていません →線の部分だけでなく、このフィールド全体が地上絵です。

そのあと謝罪文も出してますが、謝罪文じゃないですねこれブーたれてるだけですね。自分たちが何やったか分かってないですね(´・ω・`)


というわけで、何がいけなかったのか、専門家がイヤってほど詳しく説明してくれているでしょうが、簡潔にまとめてみます。彼らの言うとおり考古学者を連れて行ったなら、その人は当然知っていたはずの事項ですが…


●地上絵はごく浅い溝に過ぎないので壊れやすい

上空から見るとハッキリした線ですが、地上で見ると、酸化した表面の黒い石をちょっと除けて白い地面をむき出しにさせただけなんです。なので、石けとばしただけで線が乱れます。既に不明瞭になって見えなくなっている線もあります。今クッキリしているのは、判明している線画について定期的にメンテしているからです。

線の部分近寄ると、こんなんなんで。(写真元)

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許可されて近づく学者さんが履くゲタ。
このくらい気をつけないとフィールドを傷めてしまうんです。

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実際、今回のグリーンピースの行為によってフィールドは傷んでしまいました。

ちょっと前に紹介した、ナスカの地上絵保護に生涯を費やしたドイツ人の学者さん、マリア・ライヘの遺志を継ぐべく作られた「マリア・ライヘ財団」のFacebookに上がっていた写真を見ると、彼らの言う「遺跡破壊してねーもん」という言い訳の稚拙さが丸わかりです。

赤線の部分が、地面が乱れてしまっている部分。

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足で踏みつけて石が砕けるだけでも地面の色変わりますから、普通の運動靴で歩き回って跡が残らないわけがないですよ…。

ビニールで作った文字を並べるだけだから問題ない、と、グリーンピースの企画担当はなぜ思ってしまったのか。地上絵の実体が浅い溝であることを知っていれば、石をひっくり返すだけで乱れてしまうことを知っていれば、とどのつまり地上絵付近のエリアがなぜ「立ち入り禁止」なのかに思い当たっていれば、こんなアホなことはしなかったはず。



●地上絵は見えている線だけではない

地上絵は実は、今見えてる線の部分だけじゃないのです。
既に消えてしまった絵や、絵だったのかよく分かっていない線なども、付近に多数存在します。それらは今は地上にはっきり見えているわけではないので、普通の靴で歩き回ったりしたら消えてしまうかもしれません。

また近年になって新たに発見されている地上絵も存在します。
↓これとか。

リャマ描いたナスカの地上絵を発見 山形大の研究所
http://www.asahi.com/articles/ASG585HL3G58UZHB014.html

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つまり、ここは何もないからいーだろー と勝手に決め付けてパフォーマンスに使った場所が、実はまだ確認されていない地上絵の一部かもしれないわけです。ナスカの地上絵は、長い期間を何度も書き直されていたことが分かっています。もしかしたら途中でボツになって埋もれている絵だってあるかもしれません。そうした絵は、今後調査が進めば、新たに見つかる可能性があります。それを踏み荒らして消してしまっているかもしれない。

グリーンピースの言い訳「ナスカの地上絵には一切触れていません」は無知そのものです。


●絵の周囲にも遺物がある

遺跡は線だけじゃないのです、当たり前ですが…。

山形大の研究ページにも出てきますが、線の周囲には、儀式に使ったと思われる土器の破片や、絵を描くときの始点にしたと思われる棒などが埋まっています(その土器片がナスカ様式だったことから、絵の描かれた年代が特定されたという経緯があったりします)。土器片が多く見つかるのは線の交わる基点だということが分かってきて、最近では、地上絵付近で何らかの儀式が行われていたのでは? なんて説が有力になってきてるみたいです。

なので、周辺のフィールドも大切な遺跡の一部なのです。
ぜんぶ含めて「ナスカの地上絵」という保護された遺跡なんですよ。線に触れなきゃいいってものではないんです。



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というわけで、あんまりにもあんまりなことをしでかしてしまったグリーンピース。

環境保護団体だけど文化財は保護しないとか、やっぱり偽善だったとか、あちこちで揶揄されまくってましたが、ぶっちゃけ不勉強だと思うんですよ。そして、この遺跡を作った先人たち、あるいは保護しようとしている人たちへの敬意が足りない。

それでも支援する人たちがいるから、組織が維持出来るんでしょうけどね…。






今年は遺跡関係で、悲しいニュースがたくさんありました。

天災や事故で失われてしまう遺物はある意味天寿を全うしたのだと思うけど、内戦や、悪意なき破壊行為や、略奪で明示的に壊されていくもののほうがずっと悲しい。

来年は…もうちょっと心臓に優しい一年になると…いいなぁ。

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