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zoom RSS 空腹時に読むことはオススメできない…「日本料理の歴史」

<<   作成日時 : 2014/11/17 00:10   >>

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文字で攻めてくる究極の飯テロ本です。
おなかを満たしてから読みましょう。いやマジでマジで。

日本料理の歴史 (歴史文化ライブラリー)
吉川弘文館
熊倉 功夫

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この本の前半2/3は、文字通り「日本料理の歴史」についてかかれている。現代に残る食文化の起源や、文献に見る中世の日本食の実体、調理法、宴会の内容など。

残る1/3は今や日本食の代表ともなっている京都の郷土料理の起源や特色などについて。
ちなみに、京都の料理はかつてはイマイチという評判だったという意外な事実も明らかに。

で文字による飯テロと言ったのは、たとえはこんな感じ。

丹後屋の湯豆腐は古よりの名物にして、旅人かならずこれを賞味し、瓢亭の煮抜き玉子は近世の奇製なりと、酒客あまねくこれを食悦す。それ豆腐は夏の茄子、冬の大根に勝りて四時とも風味を違えず、形方にして種なく腹分を調へ、いはゆる精物の随一たり、また鶏卵は春の桜鯛、秋の紅葉鮒にも超え、河海のしけを知らず、形円くして骨なく賢精を健やかにす、頗る生物の最上のものといふべし。


これは「花絡名勝図会」という書物からの引用らしいが、「くっそなんか分からんけどめっちゃ美味そう! 食べたい!」と思わせる文章である。ちなみに文中で言われる豆腐は焼き豆腐、煮抜き玉子とは半熟玉子のことであるらしい。「花絡名勝図会」は十九世紀半ばごろり書物だが、半熟玉子はその頃に京都の「瓢亭」という店が考案して売り出したようで、上記引用部分で「近世の奇製」と言われているのはそのため。ただの焼き豆腐と半熟玉子なのに、なぜこんなに美味そうなのか。まさに言葉の彩。

思うに、漢字とカナの響きが脳内で既知の味を再生させて、梅干を見ただけで涎が出るのと同じ現象が起きているのだと思う。「木菓子(きがし)」、「貝鮑(あわび)」、「鯉膾(こいなます)」「雉 立盛(きじ たてもり)」などと言われると、やばいこれは絶対美味しい。と思ってしまうのである。ちなみに上記は平安時代の貴族の宴で出されたメニューの内容の一部だが、保存の利かないものは塩漬けや干物で、料理したての新鮮なものを食べていたわけではないので、実際はあんまり美味しくなかっただろうとのこと。それでも文字を見ただけで脳が「美味そう」と判断するのだから、漢字の視覚効果は偉大である。

料理の歴史は、平安朝の饗宴から始まり、庶民の料理、鎌倉の武家の伝統、禅宗から発生する精進料理、茶の湯から発生する懐石などなど、実に奥深い。そして時代とともに常に変化し続けてきたことがよくわかる。今の和食は、意外と最近になって作られた最終形態だったりする。

また今の食に関する伝統は、些細なこと、たとえば「白米と味噌汁を一緒に食べる」とか「箸や湯飲みは自分専用のものを使う」といったことにいたるまで、千年前からの伝統の延長線上にある。食に思想を持ち込み、精神修行のような側面を持たせるに至った歴史などにも触れられていて、興味深かった。

食べ物をつくることが「行」であるように、食べることも「行」である


と、実は禅宗の影響を受けているらしい。かつては包丁さばきが男のたしなみで、武家が自ら包丁を握っていたというのも意外だった。でも確かに刀と包丁は通じるところがあるのかも。ちなみに料理人に関するところでは、ドラマにもなったマンガ「信長のシェフ」の元になったと思われる実在の料理人、坪内も少しだけ出てくる。


概要だけならともかく、個々の料理の材料や製法、味の評価などいやに具体的に書かれているため、この本を読んでいると、高級な和食を食べにいきたくなって仕方がない。とにかく腹が減る。懐石料理食べたい…高いけど…。

とりあえずスーパーのパック刺身で今日のところは我慢しとくかなコンチクショー!

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