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zoom RSS ローマ学者が地中海を一つの文明圏として書いてみた。「古代地中海世界の歴史」

<<   作成日時 : 2014/01/27 00:10   >>

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やりたいことは良くわかりましたし意義もあると思いますが、やはり専門外の前半部分に微妙な歯切れの悪さがぎこちなさがあって、後半への繋がりがイマイチだったと思います先生…。

そんな感じで一定水準は越えていていい視点だと思うんですが、協力者が足りなかったかなぁという微妙に惜しさが残る本。

古代地中海世界の歴史 (ちくま学芸文庫)
筑摩書房
本村 凌二

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この本の主題は、「メソポタミア」とか「エジプト」とか「ギリシャ」とか区切って語られがちな環地中海文明を、ひとつの流れとして発祥から衰退までを書いてみる、というもの。著者がローマ史専門なので「全ての地中海文明はローマに通ずる(キリッ」という概念をもっていることは、冒頭で暴露されている。大抵のギリシャ・ローマ史やってる学者は無意識にギリシャ・ローマ最高! 世界の中心は俺たちだ! というプライドを持っていることが多いので、それを誤魔化さずに敢えて正直に前面に出しているところは好印象。

ただ、「ローマに通ずる地中海文明」という書き方なので、前半5章ぶんのメソポタミア・エジプト・ペルシアなどは完全に前座扱い。少々端折りすぎと思うところも幾つか。専門外の部分だけに細かく書けなかったのだろうが…。
それと、参考文献に「これ引用しちゃダメ(内容的な意味で)な本だと思うんだけど…」っていうのが混じってたりして、ちょっと汗。うーん。やはり専門外だからなのか。
なんとなく歯切れが悪い感じが続いたあと、専門分野になるローマ期に入ったあたりからいきなり筆が軽くなって面白くなっていくあたりまで馬鹿正直な本である。やっぱ人間、興味あるものじゃないと面白く書けないんだよねー愛は大事だよね愛は。と、シミジミ思った。

もう少しツッコんで書いてもいいんじゃないかと思う部分はあったが、写真や地図が多く、また平易な文章なので気楽に読めてこのサイズの文庫としては内容が充実しているので、アリ。ただ、スタートが地殻変動による地中海の形成なのにエンドがローマ帝国の崩壊なのは、前後の収まりがあまり良くない。エンドは現代にして欲しかった。「ローマに通ずる地中海文明」という著者のスタンスからすると分からなくもないが、ローマ滅亡=地中海文明の終焉 ではないと思うんだよな…。

このあと地中海にはイスラム勢の進出とか楽しい時代が待っているので、そこは別の本でということで。

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