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zoom RSS 色んな意味で懐かしい…「幻想の古代文明」

<<   作成日時 : 2013/11/24 00:10   >>

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古本屋のワゴンからサルベージしてきた古めの本シリーズ、「幻想の古代文明」。
新大陸(主に南アメリカ)に住む人々が何処から来たのか、その起源をめぐる様々な論争について書かれた本だ。ちなみに、よく似たタイトルで出ている「幻想の古代史」とは、内容は似ているが別の本なので注意。

幻想の古代文明 (中公文庫)
中央公論社
ロバート ウォーカップ

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平たく言うと、マヤ、アステカ、インカといった中南米の文明を築いた人々とは何者だったのか。
イスラエルの失われた氏族説あり、アトランティスやムー大陸人説あり、エジプトやローマから来た人々説あり…。もちろんトール・ヘイエルダールの、「イースター島の巨石文明は南米から移住した人々が築いたんだ!」説もあったり。

ヘイエルダールと並んで、かつて日本でも流行った、デニケン、ブラバッキー夫人、チャーチワードなどの名前も出てきて、とても懐かしい。これはいわば、古今東西の夢想家たちを集めた「思い出本」である。著者も、各々の過去の夢想家たちにマジメに反論はしていない。正気とは思えないような、信じがたい説について列挙し、そうした人々に特徴的な思考パターンについて述べている。




今、ネットで調べ物をする人たちは幸せだ。
正解も誤謬もどちらもあるにせよ、情報がたくさん手に入る。

十年以上前になるがダイヤルアップ接続しかなく、テキストサイトが主だった頃のインターネットは、正しい情報より誤った情報(空想学説)のほうが、圧倒的に多かった。ピラミッドで検索したら、まずヒットするのはピラミッド・ミステリーで宇宙人が地球に飛来してどうたらこうたら…とか。宗教サイトも多かった。

今なら、その理由は良く分かる。まともな学説であれば学会という発表の場があるし、説明の容易な理路整然とした内容なら必死に不況する必要はない。人に受け入れてもらいづらく、まともな場所では聞く耳持ってもらえないような内容でも自由に発言出来た場所、それが、かつての「限られた人しか見ていない」時代のインターネット世界だったのだと思う。

あの頃のインターネット世界には、専門家が紛れ込む可能性はとても低かった。ちょっとモノを知ってるだけの人でも堂々と、その世界での専門家づらが出来たし、ボロが出ることもそうそう無かったように思う。だからアマチュア同士での舌戦というのも盛んで、古代文明系の情報交換掲示板などでは、毎日のように喧嘩腰の論客が熱弁を振るっていたものだ。

唖然とするようなトンデモない説を堂々と語って誤解を広めている人がいれば、そこのサイトの掲示板に突撃して泥仕合になっている正義感に満ちた考古学ファンがおり、ウィキペディアのような便利なサイトもなかったからにコピペやURLリンクではなく参考書のリストと引用文が飛び交い、いやあ… 熱かったよなあ…(笑)

おいらも参戦してたけどな!
あの頃は若かったな!


当時反論に苦労した話題の一つが、「過去に海に落ちた巨大隕石によって世界中を津波が襲った」ということがあり得るかどうか、というもの。

その当時は今ほど知識がなかったので、「隕石は大気圏に突入した時点で高温になっているので、海に隕石が落ちた場合、津波が発生する以前にまず周囲の海水が瞬間で蒸発します。」というような簡単な反論すらできなかった。海にクレーターが出来たとしても海水が隠しているのだからいまだ発見されていないのでは、とか、そもそも洪水神話のない地域も多数あるのだが、とか、明後日の方向に話題が流れて収拾がつかなくなったような記憶がある。

世界中に存在する洪水神話を、たった一つの自然現象、それも地球外からの要因に求める人は、今でも絶滅したわけではない。けれど今なら、それなりの数の有識者がネット上に数多く散らばっていて、必要があれば、的確な反論をしてくれる。あの頃は… 本をめくりながら、自分たちでいろんなことを考えて論を組み立てるしかなかった。

だからその意味では、今からネットで調べものをする人は、不幸でもあるのかもしれない。
既に用意された答えの中から選ばされることになるのだから。




この「幻想の古代文明」の中にも、「マヤのピラミッドとエジプトのピラミッドが別物」ということを説明するのに本職の学者さんが苦労したという話が出てきたけれど、それは、その当時のマヤやエジプトに対する知識が、今ほど豊富ではなかったからだ。

マヤのピラミッドの建造年とエジプトのピラミッドの建造年に大きな開きがあることは、今なら素人でも知っている。双方の建築方法が全く異なることも、内部構造や使用目的まで見れば全くの別物と言っていいことなども直ぐに反論できる。しかし、その時に使う根拠は過去に学者さんたちが調べた調査結果なわけで、その調査結果が出そろっていない時代であれば、今となっては荒唐無稽と思われるような説を空想の中で組み上げることだって可能だったというわけだ。


改めて空想学説を並べてみると、興味深いことに気が付く。「エジプト人がマヤのピラミッドを作った」とか、「アトランティスの末裔たちが南アメリカに移住した」とか信じていた人々は、例外なく架空の歴史年表を作っているんだよな。

単に空想家だったんじゃなく、彼らは今でいう設定厨だったんじゃないのか…。

考古学の世界に空想を掻き立てられ、ファンタジー世界の設定を夢中になって考えているうちに、自分の空想世界と現実の区別がつかなくなっちゃったんじゃないのかな。いわゆる中二病患者にもそういう人いるんだけどね。金とやる気を持ちすぎた設定厨が、「ぼくの考えた世界の歴史」を出版しちゃったってだけのような気も…。


*****

うちのサイトも、昔はオーパーツや超古代文明の話題がよく来てたんだけど、今はメール・掲示板合わせても一年に一回も来ないですね…

本体サイトにエジプトオーパーツの解説コーナー (コレ) 作ってた時代が、懐かしいぜ。

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