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zoom RSS 小説家がシェイクスピアにマジレス。「シェイクスピアを楽しむために」

<<   作成日時 : 2013/05/03 00:52   >>

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なんとなく手を出さずにいた「シェイクスピアを楽しむために」という本に、ついに手を出してしまった。
これもすべて、予定されていた本の発送が遅れたAmazonのせいである。

シェイクスピアを楽しむために (新潮文庫)
新潮社
阿刀田 高

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少し前、「もう一人のシェイクスピア」という映画を見て紹介した。
http://55096962.at.webry.info/201301/article_6.html

その時の感想として「ぶっちゃけて言うと、シェイクスピアの作品はあまり好きではない。」と書いた。
映画はとても面白かったし、今まで見た中で数少ない、心の底から感銘を受けた一本となったがしかし、シェイクスピア自体は大して好きではないのである。価値がないとは思っていないが、読んで面白いものではない。それもあって手を出さずにいた、というところ。

しかし、この本は、まさにそこを正直に書いていて、それゆえに最後まで読もうという気になった。
私えが映画を見て感じたのと同じこと…曰く、

私は小説家なので演劇を演劇として捕らえることが下手くそである。戯曲を見せられると、会話の多い小説として読んでしまう。
あえて言うならば、私のみならず多くの読者がこの傾向を持っているのではあるまいか。読書という行為自体が小説と関わりが深いうえに、私たちは小説の時代に生きているからだ。


実にバッサリと書いてある。
ですよね と私にしては珍しく(というのも、この阿刀田さんという方は、言いたいことは分かるが微妙に私とは感性が違うことが多い)著者と全面的に合意した。なんなら居酒屋でその件について膝を叩きながら2-3時間語り合えるくらいに禿同である。

小説として読むなら、シェイクスピアの戯曲は面白くもなんともない。
戯曲を読んで、脳内で場面変換して面白いと感じるのは至難の業、会話はくだくだしいし、ストーリーにも矛盾点がある。むしろ面白いと感じられるはずがない。

しかし阿刀田さんは、こうも言っている。
文章で読んだときはペケだと思ったものも、舞台で見ると面白い、と。

それもまさに、私が映画を見た時に感じたものと同じだ。「あらすじだけは知っている」「読んだことはある」、でも面白いと思えなかったものが、映画の中の劇中劇として演じられた瞬間、まるで別物のように生き生きとして現れ出てくるという不思議。

舞台には魔物がいる、という感覚は、お芝居をあまり見ない私にはよく分からないが、「舞台の上の真実は、舞台の上にしかない」というのは良く分かる。能楽なんかがそうなんである。譜面を見ても「ハア?」なのに、いざ舞台で焚き火の中で演じられると、そこはもう異界になる。シェイクスピアは、舞台で見なければ、きっと意味がわからないんだと思う。



この本は、内容的には、よくあるシェイクスピアの代表作品のあらすじダイジェストである。
しかし前提からして「文字で読むと面白くないのはワカッテル、自分も面白くないなーって思ったんだよね」と正直に告白した上で書かれていると、納得がいく。

ちゅーか高尚ぶってお硬く説明されるより、だいぶ気楽に読めた。シェイクスピアは古典だから、名作だから、と頭ごなしに価値観押し付けられて褒め称える一辺倒の本だとな。やはり私は納得いかない。「この作品はここが面白い、ここは矛盾してる、でも劇にするとこうなって面白い」、とか説明されると成る程ねぇと思える。

まさに「楽しむために」の本。
小説を読むように読みかけて、入り口で毛嫌いしてしまっている、そんな人が手に取るべき本かもしれない。


****

映画のDVDもでますわよー。
この映画はイチオシ(文学ファン・歴史マニア的な意味で)。

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