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zoom RSS 金田一耕助シリーズ「犬神家の一族」 ――時代を感じる推理小説たち

<<   作成日時 : 2013/03/06 00:10   >>

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横溝正史を読み返しはじめたら止まらなくなった。

というわけで、「犬神家の一族」である。「本陣殺人事件」とか「獄門島」あたりは読んでいたのに、なぜかこれだけスルーしていたので今回が初読。

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推理小説も山ほど読んでしまうと、だいたいパターンがわかる。仮面の男が出てきたら、絶対別人なんである(笑
あと雪や湖の水で足あとを消すっていうのもよくある。このテの推理小説は、あえて推理しない方向で雰囲気を楽しみながら一気読みするに限ると思う。

横溝正史シリーズは、同時代のほかのミステリ作家と同じく、「戦後」の混乱期と暗い雰囲気が背景にある。人が大勢死に、日本は敗戦国として貧しく、屈折した感情の中にある。その雰囲気は現代の推理小説とは大きく異なっているし、人々の持つ倫理や概念もまた、現在を生きる我々のものとは異なっている。

言い回しは古臭く、トリックも使い古されている。しかし雰囲気だけは、この時代の小説しか醸し出せない、なんともいえない独特なものだと思う。

さて、この「犬神家の一族」だが、タイトルからしてなんとなく猟奇的な話なのかと思っていたら全然そうでもなかった。というか「犬神」って名前だから呪術っぽい何かがあるんだと思ってたんだよね。べつに「犬神」じゃなくても良かったよな、関係ないしって感じ。タイトルで敬遠していたがそんな必要はなかったようだ…。

金田一シリーズは人の死にかたが異常なものが多いが、本作ではわりとマトモに(?)人が死んでいたように思う。物語に登場する人物は、おおむねみんな理性的。しかも理由があって外道を演じてるだけなのに理由を知ったところで納得出来ないっていう人の業のようなものが感じられる物語だった。推理小説としてより、昼ドラ的な家族の物語として面白い感じかね…。

結末はいちおうハッピーエンド。
孫ということになっている金田一一君の担当する物語だと誰ひとり救われないパターンが多いけど、じいちゃんの事件はたまに救われて幸せになれる人が出るから良いよ、うん。たまにはギリギリのところで人を救おうよ、はじめちゃん。


しかしまあ、復古というのもよいものだ。
最近出た話題の推理モノがいまいち肌に合わずに、ここのところミステリ小説から遠ざかってたのが、久しぶりに古典ミステリから読みなおしてみる気になった。エラリー・クイーンとか、アガサ・クリスティとか、クッキングママ探偵とか、たぶんきっと、押入れのどこかに積んであるはず!

あ、あと昔、時刻表がトリックになってるシリーズとかあったよね…微妙な時差? で犯行するやつ。
最近の推理小説ちょっとオサレすぎるんだよね。もっとベタな感じでいいんだよなあ。

<たとえばこういうことです>

・ベタ→容疑者が畳職人
・オサレ→容疑者がウェブデザイナー

・ベタ→依頼人と落ち合う場所が停車場の待合室
・オサレ→依頼人と落ち合う場所が駅前のスターバックス

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