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zoom RSS 「はやぶさ はるかなる帰還」日本の男はあきらめない。骨太に何かに人生賭けてみないか

<<   作成日時 : 2012/03/02 00:10   >>

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小惑星探査機「はやぶさ」地球への帰還から早ニ年。

並行して作られている三本の映画のうち二番目の公開となる本作は、そのうちの本命と目されている作品になる。なんといっても主演が渡辺謙。先に公開された「はやぶさ」の竹内結子とは比べようがあるわけもなく。竹内結子に恨みはないが、演技の旨さ、自然さのレベルが違う。そして、主役を「女性新米研究者」ではなく「男性主任研究者」に据えた選択は正しかった。


※先に公開された「はやぶさ HAYABUSA」の公式サイトはこちら
http://movies.foxjapan.com/hayabusa/index.html


※今回 公開された「はやぶさ 遙かなる帰還」の公式サイトはこちら
http://www.hayabusa2012.jp/index.html

※最後に公開される「おかえり、はやぶさ」の公式サイトはこちら
http://hayabusa3d.jp/index.html


公式サイトの雰囲気だけでもかなり違う。
最初に公開された「はやぶさ」は女性メインに、子供や一般人にもわかりやすく、ドラマをよりドラマチックに盛り上げようとして作られた作品だ。

しかしこの方向は間違いだろう。この映画を見に行く人は濃厚なノンフィクションを求めているはずで、科学? 宇宙? 何それおいしいの? みたいなチャラいカップルなんかが間違って入るはずもないのである。ネット上の盛り上がりを再現しようとして擬人化はやぶさたんを取り入れたのも失敗。ネットの盛り上がりは興味の薄い層もとにかく祭りに参加しようとして生まれる、ネット特有の現象だろう。そういう一時的に興味に過ぎない層は、まずもってわざわざ映画館まで行かない。しょぼいギャグシーンを入れて一般層アピールするくらいなら、映画ではなくテレビの2時間スペシャルでやってろと。
私などは逆に興ざめしてしまい、ラストの竹内結子のお涙頂戴の安っぽい演説で「( ´_ゝ`)フーン」…な顔に、なってしまった。


対して今回の「遙かなる帰還」は既にある程度の興味を持ち、予備知識も持っている層にターゲットを絞り、研究者や町工場のリアルなドラマを組み込んできた。こういう泥臭さこそ、この映画を見に行く層が欲しかったもののはずだ。細かい説明はバッサリ削って、現場の雰囲気を重視している。役者みんなが真剣で、本物の研究者かと思えるほど。よい映画である。派手さはないが、それぞれのキャラクターがただ一生懸命にそれぞれの役割を演じている、それだけでストーリーが進んでいくという、私の好きなタイプの物語に仕上がっていたと思う。

宇宙とは全然関係ないが、私もいちおう技術職なので、トラブル発生から解決まで猶予のない現場の緊張感はよく分かる。すごく分かる。痛いほど分かる。クリティカルなシステムでトラブった時の緊張ったらな。そりゃもう奥歯も磨り減りますよって…。
NEC社員の人なんかはいちばん自分に近い立ち位置のキャラだったので、「民間は厳しいんですよ…」とか、「こんな使い方想定してませんよ」とか「僕はメーカーの人間なんです」とか、セリフがいちいち分かってしまい刺さること刺さること。納入済のシステムで問題が起きて会議中にお客さんから電話かかってきて現場に走るとか、あーあるある、あるある…とか思いつつ見ていて涙した。うん…、彼は頑張ったよ…。

うすっペらな作られた感動より、一生懸命生きている人間の現実味のある姿、ってのはいいやね。
決して大衆向けではないし、そこまで売れるとは思わないけど、私はこの映画が気に入った。何かに夢中になって、ひたすら人生を費せる人は幸せだと思う。「宇宙は広すぎる」、でもだからこそ…。



で、この映画の全体の感想なのだが、「面白い」とかではなく、まず作り方が「うまい」と思った。

グローバル展開も考えてのことだろう、クラーク博士というNASAの学者が序盤から登場する。しかもこれが黒人枠、(笑) 渡辺謙は英語も達者だから、流暢な英語でクラーク博士とフレンドリーに会話する。ちなみに中盤ではNASAのシーンもあり、そこにもクラーク博士は登場。NASAを入れてくるあたり、アメリカ展開も考えているんだろうなと思わせる。ちなみに、「うちはNASAの1/10の予算しかないですから」とか「アメリカにサンプルをお渡しするのは、施設を使わせてもらうのが条件です。反故にするなら渡しません(キリッ)」とかいうセリフがあったりと、アメリカ絡みのニヤリとさせられるセリフも(もちろん英語で)多数。アメリカはプルトニウムを積んだまま木星に探査機を落としました! とかも、ああ言っちゃうんだそれ…と思いながらニヨニヨしてしまった。


故障したリアクションホイールにおもいっきり「MADE IN AMERICA」の文字が入っていたり、その対象として日本の小さな町工場の正確無比な部品が出てきたりするのも、最近の日本映画ではあまりなかった、さりげなく、かつうまい具合にプロパガンダを組み入れてきているシーンだと思った。イオンエンジンの技術者の務めるNECがこれでもかというくらい、それも自然に映画の中に登場するのにも注目。
もちろんハリウッド映画なんてほぼ全部がアメリカの国威発揚のためのプロパガンダ作品である。どこの国も映画にさりげないイメージ戦略や政治的目的を入れるなんてのはやってるわけで、日本はそのへんがヘタだと思っていたのだが、どうして、やれば出来るじゃないか。(NECさん、イオンエンジン売れるといいね。)

ストーリー自体は地味なのだが、日本特有の風景、神社などの文化的なもの、渡辺謙といえばコレだろというくらいイメージになってしまった散る桜などなど、美しいシーンも取り込まれていて映像的には良かった。役者がみんな演技のうまい人ばかりで見ていて胃が痛くなる不自然さもないし、むしろ国内より海外で成功する作品なのかもしれない。


尚、個人的なアレだが、頑固者のじーちゃんが出てくるストーリーには弱いので、じーちゃんで攻めてくるのはやめていただきたい。町工場経営するじーちゃんとか。嫁に逃げられたじーちゃんとか。儲からないけど宇宙に賭けるじーちゃんとか。設定だけでどストライクですすいませんでした。じーちゃんの指がつぶれてて爪が機械油で真っ黒になってるのが写ったシーンで思わずブワッてなっちゃったよ。
じーちゃん…。はやぶさかえってきたよぉ…。





***

最初にプラネタリウムで見たコレがすごかったんだ。
これがねー。これの宇宙の映像がねー。大画面でみんなで集まって見るのにいいとおもう。

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